病気の診断をするために沢山の検査が行われるのを皆様はご存じでしょう。
更に、より詳しく、病気の状態を知る必要があるときに病理検査が行われます。
特に病気が腫瘍の時には、必ず病理検査が行われ、治療方針が決められます。
病理検査は病気の部分から採った細胞や、患者様の体の一部を顕微鏡で調べます。
また、ご遺族の許可を得て行う病理解剖は、死因・病気の質・病気の進行・治療効果・どんな余病がでていたかなどを詳しく調べる大切な仕事です。
そして、それらの結果を今後の医療に生かす努力が常に行われています。
病理部/病理診断科は患者様と直接に接することなく、臨床医師と対応している部門です。しかし、PL病院の病理部/病理診断科は“臨床医の後ろに患者様がいる”をいつも念頭におきながら、病理専門医および細胞検査士の資格を持った臨床検査技師を含めた全技師が患者様の身体の一部を顕微鏡で毎日観察し、診断しています。更に将来に向けて常に勉強をし続けなければならない全ての医師・職員の意識向上のための一端を担っています。
それ故、病理部/病理診断科の存在は質の高い医療を患者様に提供し、更にその質を向上させるところとして、その病院は高く評価されます。また、若い医師の教育機関としての役割も認められています。
2021年 | 2022年 | |
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組織診断件数 | 3,904 | 3,905 |
細胞診断件数 | 5,172 | 4,895 |
手術中迅速件数 | 31 | 11 |
病理解剖件数 | 1 | 1 |
回数 | 開催日 | 検討テーマ | 参加者 | ||
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医師 | 看護師 | コメディカル | |||
112回 | 2014年10月25日 | 潰瘍性大腸炎の治療中に急死した一剖検例 | 20 | 1 | 2 |
113回 | 2015年1月31日 | 集学的治療にて長期生存を得た肝門部胆管癌 の一剖検例 |
15 | 0 | 7 |
114回 | 2015年3月5日 | 多発性肺・肝・骨転移をみとめた原発不明癌の 一剖検例 |
10 | 0 | 6 |
115回 | 2015年3月20日 | 多発性肺転移を伴う高度進行癌・アルコール性 肝硬変 の剖検(内科治療症例) |
13 | 0 | 4 |
116回 | 2015年5月29日 | 病院前で突然死した中年男性の剖検症例 (内科通院、治療患者) |
13 | 4 | 9 |
117回 | 2016年7月27日 | 化学療法で長期間コントロール可能であった マントル細胞リンパ腫患者(内科治療症例) |
13 | 0 | 6 |
118回 | 2016年9月29日 | 心肺停止蘇生後脳症の一例 | 13 | 0 | 7 |
119回 | 2016年12月15日 | 呼吸停止後で救急搬送となった症例 | 9 | 5 | 5 |
120回 | 2017年2月10日 | 心肺停止で救急搬送になった一例 | 10 | 0 | 7 |
121回 | 2017年5月25日 | 食欲不振、人格変化を認めた76歳男性の一例 | 13 | 0 | 5 |
122回 | 2017年7月24日 | 集学的治療を繰り返し、約10年の長期生存を 得た肝細胞癌の一例 |
14 | 0 | 4 |
123回 | 2017年10月27日 | 上行結腸癌に対し無治療経過観察を行った一例 | 9 | 0 | 5 |
124回 | 2018年2月5日 | 胸部大動脈瘤の既往を持ち、喀血で死亡した 一例 |
10 | 3 | 4 |
125回 | 2018年4月17日 | 術後感染症が改善してきていたにも関わらず 急性転帰を遂げた一例 |
18 | 12 | 11 |
126回 | 2018年7月23日 | 結腸捻転術後、イレウス状態が持続し急激な 転帰を遂げた一例 |
9 | 1 | 3 |
127回 | 2018年11月5日 | 呼吸停止蘇生後も低酸素脳症を呈した一例 | 10 | 1 | 4 |
128回 | 2019年2月1日 | 骨折術後に検査・治療を忌避され、その後 状態が悪化していった一死亡例 |
12 | 1 | 3 |
129回 | 2019年5月20日 | 肋骨骨折で入院後、急激に炎症反応が上昇し 死亡した一例 |
11 | 0 | 3 |
130回 | 2019年7月26日 | 特発性腹膜炎で死亡した一例 | 10 | 0 | 4 |
131回 | 2019年9月27日 | 胸腰椎圧迫骨折で入院後、状態が悪化して 死亡した一例 |
13 | 0 | 3 |
132回 | 2020年1月31日 | 甲状腺癌末期で入院中、急激に状態が悪化し 死亡した一例 |
10 | 1 | 2 |
133回 | 2020年7月31日 | MRSA肺炎で死亡したとされる一例 | 16 | 0 | 2 |
134回 | 2020年9月28日 | 不明熱により衰弱をきたした透析患者の一例 | 23 | 1 | 2 |
135回 | 2020年12月21日 | 稀な組織型を示した治療抵抗性悪性リンパ腫の 一例 |
15 | 0 | 2 |
136回 | 2021年7月30日 | 発熱と下痢で入院後、抗菌薬投与も炎症継続し 死亡した症例 |
18 | 1 | 4 |
137回 | 2021年9月17日 | 原因不明の吐血で死亡した胆管癌術後患者の一例 | 14 | 1 | 8 |
138回 | 2021年11月19日 | 発熱で入院し、急速に呼吸不全をきたした症例 | 13 | 0 | 1 |
139回 | 2022年1月28日 | 急速に進行した下肢の壊疽により死亡した一例 | 12 | 0 | 6 |
140回 | 2022年7月5日 | 吐血にて救急搬送中に心肺停止となった症例 | 16 | 0 | 4 |
141回 | 2023年1月30日 | 肝生検後に発生した意識障害で死亡した一例 | 14 | 5 | 6 |
病理部 部長 橋本 重夫 専門分野
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