◆相手は【思い】
相手の魂胆。推測し損じるのは何故?――対象が人の【思い】だからでしょうね。
世話したのに礼も言わない→〈世話して当然と思ってんだろう〉。
借金返す素振りもない→〈催促する勇気無しとナメてるなぁ多分〉。
〈 〉部分は他人の【思い】。当たる確率はかなり低いはずです。
廊下の真ん中に見慣れぬ箱が置いてあり蹴つまずいた。
〈こんな所に!〉と怒る時。
「この箱め!」とは言いません。
〈こんな所に!〉と怒る時。
「誰だ!」と犯人に腹を立て、
それも〈こんな所に置いて良いと思ってやがる!〉と、犯人“の【思い方】に怒る。
だから、犯人らしい人物が涼しい顔して通ると「君ィ!」と怒鳴るが、真犯人が「ス・ミ・マ・セーン」と駆けつけると「あっ、次、気をつけてな」どまり。
立腹の対象は、〈箱〉でなく、〈置き方〉でもなく、〈置いた奴の平気さ加減〉。
相手取るのは必ず相手の【思い】です。
◆人の【思い】なんて判る?
だいたい【人の思い】なんて想像つくもの? 他人の心の中なんて判りませんよね。
箱を廊下に置いた人物が〈エエイッ、構うもんか。置いとけ!〉と思ったか?
〈重い!持てない。もうダメ〉と力尽きて置いたか? 〈廊下はいけないんだけど、誰も居ないし…。トイレに行く間だけお願い!〉だったか。誰も判りっこない【他人の思い】相手に、〈きっと……と思ってるんだ。とすれば許せん!〉なんて息巻くの、どうかなぁ…?
こころ・もよう !?(医師)