Q健診で便が引っかかりましてねぇ。あとは全部良かったんですけど‥。
Aああ、便潜血ね。便に血が混じってる。量はワン・プラス(+)だから。ちょっとね。
Q「ちょっと」だって、気持ち悪いですよ。大腸がん? どうしよう? 何ですか、その“センケツ”って?
A「セン」は「潜」。「潜る」。潜水艦の「潜」の字。
Q「潜る」って、何が潜るんです?
A「血」ですよ。
Qああ、血が、便の表面でなく、中のほうに在るってこと?
Aいやいや、外か・中かじゃない。「無いように見えて実は在る、不思議な血だ」という意味で「潜」。 ほら、「潜在する」って言うでしょう。あの「潜」です。
Qわかった、痔だ! 私、その気があるんです。そっか、癌じゃないんだ。良かったー。 でも、あの検査の棒みたいなので採るとき、便に赤い物なんか無かったですよ、先生。
Aあのねえ、検査で(+)だったのは“潜” 血ですよ。
検査で「在った」と言ってるのは目で見えない微量の血。見たところ「無い」。
けど、実は「在る」。それくらい微量な血です、在ったのは。
「潜」は
Q血も、あまり薄いと見えない。じゃあ、血がどのくらい濃く便に付いてたら赤く見えるんですか?
A実験してみましょう。赤インクを段階的に水で薄めて、どの濃さなら見えるかチェック。来週お話ししますね。
けんさ・いいネ!(医師)